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転職しました2/3 : PR業界で学んだこと

2. PR業界で学んだこと

さて、デジタルビジネスの立ち上げについて書きましたが、一方でPRとは、プレスリリースを書いて記者に売り込む以上のものでした。
それはツールや手法が変わっても、変わらないコミュニケーションの原理原則のようなものでしょう。なかなか伝わらないことも多かったので、改めて書いておきます。

Public Relationsを一言で表すと

私が最初に師事したFleishmann-Hillardの田中さんから最初に言われたことだが、

「武力や財力と同様、人を動かす”力”である」

には衝撃を受けた。その上で、Public Relationsを一言で表せば「メタ・コミュニケーション・ゲーム」でということになる。
コミュニケーションは、誰しもが意識せずに行っているもので、生まれたばかりの赤ちゃんですら、泣くことによって自らの存在をアピールする。しかし、それを「力」として認識した瞬間に、コミュニケーションをすること/しないことの効果を想定し、それを目的的に使うようになる。この営みの「深さと広がり」が、Public Pelationsの業である」と言って良いだろう。

「世論操作」や「ステマ」、「プロパガンダ」など、業界には「負のイメージ」がいつもつきまとう。しかし、純粋な「力」である以上、当然それ自体に良いも悪いもない。その力を使うか使わないのか、使うとしたら、何のためにどう使うのか。善悪はコミュニケーションの「上のレベル」で判断されるべきだが、そのためにも、「コミュニケーションは力である」と強く認識することが私の第一歩だった。

PR = メタ・コミュニケーション・ゲームの3つの特徴

〜1.勝負はアジェンダセッティング〜

これは、総選挙に関わったときに痛感したことだ。今、「インターネット選挙活動」が話題になっているが、事の経緯を知らずとも「ネット選挙活動反対!」とは言いにくい。
さて、言いにくい問題を進めなければいけない人は、「その問題を隠す」ことに全力を尽くす。全くその問題に触れなかったり、もっと大きな問題をぶち上げたり。
反対に、「政治的に正しいこと」を進めたい人は、その「正しさ」を主張するよりも、「この問題が大事なのだ!(だから議論を!)」と言うようになる。
田中さん他、多くの人が言っていることだが、小泉純一郎率いる自民党が大勝したいわゆる「郵政選挙」では、「郵政民営化が賛成か反対か、国民に問うてみたい!」と言って解散した。郵政民営化が本当に重要だったかどうかはさておき、アジェンダを「郵政民営化」にセットした段階で、明確に反対しにくい「空気」であった以上、勝負は決まっていたのかも知れない。

「それでは本当に大事なことが失われてしまうではないか」と思うかも知れないが、その「本当に大事なことは何なのか」を決めるために、多くのリソースが使われている点が重要だ。

一方、熟議を通してお互いの認識を深めたり、経験を通じて伝える類のコミュニケーションも存在する。長期的には、それらが大きな意味を持つかも知れないし、特に私が担当していたデジタルの領域では、オフ会を開いて直接会ったり、Facebookで直接的で継続的な交流を試みたり、と新しい事に取り組むこともあった。
しかしながら、それでも尚、「何を話すのか」というアジェンダセッティングの重要さは変わらないだろう。

〜2.人間関係の基本は3角形〜

例えば、好きな人がいたとして、「何と言って口説くのか」をすぐ考えてしまう人はPRに向いていないかも知れない(笑)。「まず、一番親しい友人を口説く」のがPR屋っぽい方法。(友人を介して、いかに自分が良いパートナー足り得るのかを言ってもらうよう仕向ける)

Public Relationsの基本形は、「ターゲットに一番影響を及ぼす人」を特定し、あの手この手で働きかけ、自分に有利なことを言うように促すことだ。
この基本形は、伝統的には「Media Relations」として、最近では「Blogger Relations」や「Influencer Engagement」として受け継がれているようだ。
消費者や有権者など、最終的に働きかけたい人直接ではなく、彼らに影響力がある人として、「ジャーナリスト」や「ブロガー」あるいはTwitter上のセレブリティとまずコミュニケーションを図る。それは、「記者会見」や「プレスリリース」とう形を取ることもあれば、Social Media上で完結する場合もあるが、目的は同じ。利害関係のない、第三者からのメッセージの方が信ぴょう性が高い、と思われるからだ。

ちなみに、これは倫理観の文化的な差異が大きなことのひとつかも知れない。第三者を巻き込むことについて、日本では快く思わない人もいるかも知れないが、大学の「推薦状」文化や、Linked Inの”Recommendations “など、第三者の評価も、数多ある評価軸のひとつとして普通にカウントする文化もある。

また、第三者を巻き込むことはリーダーシップにつながることでもあると思う。
TEDで非常に人気の高い「デレク・シヴァーズ 社会運動はどうやって起こすか」で、デレクは「リーダーシップが過大評価されているということです〜1人のバカをリーダーに変えたのは、最初のフォロワーだったのです」と主張している。後に続く人たちは、リーダーではなく第三者=最初のフォロワー態度を参考にする、と。リーダーシップは、第三者を巻き込むことで実現するのではないだろうか。

〜3.事実と解釈〜

最後に、事実と解釈について。
商品やサービス、政策など、良いものをつくれば必ず伝わる。。。とはいかないところがコミュニケーションの難しさだ。
第一、事実を全て伝える、というのは不可能だし、メッセージとして発信する以上、何らかの「解釈」が必ず入る。そしてその「解釈」をどうつむぎ出すかは、ときに事実よりも重要な場合がある。
(これは、政治家のスピーチや、投資家への説明資料、新製品発表会などで特に意識したことだ。)

例えば、AppleのiPad発表時のプレゼンは非常に印象的だった。製品のスペックを端的に伝えるのではなく、

-Appleは世界最大のMobile Device Company
-スマートフォンとラップトップの間に”カテゴリ”がある
-そのカテゴリを埋めるのがiPad

という構成。実際に、Jobsは、あるいはAppleはそんなこと考えて商品開発をしていたのだろうか?
そうかも知れないし、後付けかも知れない。いづれにせよ、この発表以降多くの人が「コンピューティングの主戦場はモバイルである」と認識し、「タブレット」というカテゴリの誕生を実感したのではないだろうか。

他にもたくさんの気づきがあったが、Public Relationに戦略性を与えるための原則として、以上の3つは非常に重要なものだった。
一言で言えば、社会の見方がこれまでと大きく変わったこれらの「視点」が、私がPR業界で学んだことだと思っています。

(続き: 3. 転職の理由とこれからやりたいこと)

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Posted By nshoji

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