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個人的!! 2011年上半期 読んだ本ランキングTOP10 (前半)

who thinks i have a book problem? (274/365)who thinks i have a book problem? (274/365) / sleepyneko

2011年も早いもので半分が過ぎます。今年はGWをはじめ、ゆっくり本を読む時間が取れたので、その感想を書いてみます。別に今年に発売された訳でもなく、テーマに統一性がある訳でもありません。個人的な好奇心とセレンディピティの赴くままに読みふけったものですが、なんとか時事ネタに絡み付けて書いてる部分もありますので、皆様の読書ライフの一助になれば幸いです。

1. その数学が戦略を決めるイアン・エアーズ (著), 山形 浩生 (翻訳)
恐らく「こんなことなら数学やっておけば良かったよ」と大人に言わせたことNo.1の本であり、山形浩生氏翻訳本らしい、挑戦的な本。(あまりに感動して書いてしまった以前の記事はコチラ。書評というより個人の想いだけど)
紹介されているエピソードはどれもセクシーで忘れがたい。ラスベガスのあるカジノで、顧客のプレイ情報が全てデータベース管理されており、統計的に「これ以上金を擦るともうカジノにこなくなる」ギリギリの線で、プレイをやめさせる話は目を疑ったし、他にも、映画のシナリオの分析だけで、結構な確率で興行収益を予想できる話や、法律の専門家集団が法律素人のデータ分析屋に負けてしまう話なんか、どれひとつとってもドキュメンタリー映画になりそうなくらい面白い。

本書の主題は、テクノロジーの進化により、従来では扱えなかった巨大なデータ分析が進み、「意思決定」の仕事を「(従来の)専門家」からデータ分析屋が奪っていく、というもの。「専門家」には、ソムリエ、野球のスカウト、映画のシナリオライター、医者から法律家まで幅広い。幅広いが故に、自分の(ちっぽけな)専門性があと10年後も今同様の価値を持っているのか考えると、その可能性は低そうなことに気づき凹む。
あとがきに、山形氏が「残念ながら日本ではまったく進んでいない」と嘆いているが、最近では少し進んでいるかも知れない。
例えば、最近良く見かける「Tカード」の普及は、莫大な顧客情報をデータ分析することによって、消費者の嗜好を探るためのものであり、その威力はまだ我々一般人の与り知らぬところだ。
(参考) なぜ、Tカードは提示するだけで割引が受けられるのか

その数学が戦略を決める
イアン・エアーズ
文藝春秋
売り上げランキング: 10712

2. 伽藍とバザール 他 オープンソース4部作 エリック・レイモンド (著), 山形 浩生 (翻訳)
エリック・レイモンドが90年代の後半に書いた、オープンソースやハッカーについての経済学的 / 社会学的 / 人類学的考察。厳密には「本」ではなく、山形氏のHPで無料で公開されている。
今年はソニーをはじめとした企業が攻撃されたり、一方で震災後数時間で情報プラットホームが構築されたり、と何かと「ハッカー」の活動/活躍が目につくことが多かった。そんな彼らが、どういうモチベーションやインセンティブで協力し、ものを作り上げるのか、これらの古典的論文からその基礎を伺い知ることができる。

  • 伽藍とバザール
  • ノウアスフィアの開墾
  • 魔法のおなべ
  • ハッカーの逆襲
  • 3. 対称性人類学 中沢 新一 (著)
    引用の良く見る中沢新一氏の本を読むのは初めてだったけど、文学部卒の自分には慣れ親しんだ体裁だった。先に書いたエリック・レイモンドの論文で、(金銭の授受がない)オープンソースコミュニティは「贈与経済」と書かれてあったが、この「対称性人類学」では贈与経済に「無限小」という概念を取り入れ、計算式まで提案している!!
    それは直ちに経済学に取って代わるに足るものでは決してないのだけど、「なんで自分が得もしないのに”いいね!”押しちゃうんだろうな…」ということの暫定的な答えを与えてくれた気がする。
    本書の主題は、レヴィ・ストロースを始めとする思想家のフィールドワークや考察を散りばめ、「夢」や「神話」など人間の非理論的な思考をひも解き、人類一万年の歴史を「対称性人類学」というフレームで捉える、という壮大な試み。

    対称性人類学 カイエ・ソバージュ 5 (講談社選書メチエ)
    中沢 新一
    講談社
    売り上げランキング: 104403

    4. クルーグマン経済教室 Paul Krugman (原著), 山形 浩生 (翻訳)
    これも「山形 浩生 (翻訳) 」でついつい買ってしまった本。山形氏の翻訳本は本当にハズレなしだ。クルーグマンは自身はとてもメジャーなので、あとがきを少し引用。

    本書がクールだってことは、あのポール・サミュエルソンも序文で断言してる。「試練をくぐりぬけて能力を実証してみせた研究家が書いたもので、強調すべき要点をきちんと選び出して、それを筋が通るようにまとめてくれて、しかも読んだ人に自信と理解をつけさせるような本」そのとおりなんだ。〜この本で最高なのは、「わかってないことについては、もったいつけずにちゃんと「わかってないよ」とはっきり書いてくれることなんだ。だいじじゃないことは「だいじじゃないよ」と説明してくれることなんだ p383 あとがきと解説とか、そんなもの”

    山形氏も書いているが、「生産性が上がったり下がったりするのかはっきり分かってない」というのはビックリした。何か「IT化で生産性向上」とか、軽々しく言うものじゃないんだね(苦笑) あと、「デフレ世代」としては、各国政府が昔からずっと「インフレ懸念してきた」というのも何だか新鮮だった。日本の状況はある意味非常に特殊だし、我々世代の「デフレが続く」という感覚も、もしかしたら非常に新しいものなのかも知れない。

    クルーグマン教授の経済入門 (ちくま学芸文庫)
    ポール クルーグマン
    筑摩書房
    売り上げランキング: 101534

    5. 新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解くアルバート・ラズロ・バラバシ (著), 青木 薫 (翻訳)
    何より驚いたのが、「ネットワーク」について研究されはじまったのが98年とか、10年ちょっとしか経っていないこと!! 時代はソーシャルネットワーク真っ盛りだけど、人類はまだまだ「ネットワーク」についての振る舞いが良く分かっていない、ということが良く分かった(笑)
    とは言え、数学的なモデルのレベルだけど、いくつかの特徴については示唆を与えてくれるし、それはこの本が書かれた頃には存在しなかったTwitterやFacebookを考える上でも大変意義深いものだ。例えば、ブロガーやTwitter、Facebookのインフルエンサーを、マスメディアと同じように考え扱うのは無理がある、というのは経験的には分かっていたけど、この本を読んで腹に落ちた感じだ。(蛇足だけど、「ソーシャルメディア」と呼ぶより「ソーシャルネットワーク」と呼んだ方がより本質を捉えていると思う。)

    新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
    アルバート・ラズロ・バラバシ
    NHK出版
    売り上げランキング: 7593

    TOP10をやるつもりなのに、1位から書いてしまった。後ほど6位から10位を紹介します。

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    Posted By nshoji

    4 Responses to “個人的!! 2011年上半期 読んだ本ランキングTOP10 (前半)”

    1. 個人的な2011年上半期 読んだ本ランキングTOP10 (前半) http://t.co/IL3BCjw

    2. 個人的!! 2011年上半期 読んだ本ランキングTOP10 (前半) http://feedly.com/k/kucByg

    3. 桑高裕喜 より:

      http://t.co/w14JbRUo – nshoji 個人的!! 2011年上半期 読んだ本ランキングTOP10 (前半) http://t.co/uTz9iKuC ネットワーク理論の名著が00年代後半からパタリと見なくなっつのが気になる

    4. 山田 敏文 より:

      http://t.co/w14JbRUo – nshoji 個人的!! 2011年上半期 読んだ本ランキングTOP10 (前半) http://t.co/uTz9iKuC ネットワーク理論の名著が00年代後半からパタリと見なくなっつのが気になる

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