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ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼう

Hacker Dojo
Hacker Dojo / mightyohm

5/11付けの日経新聞オンラインに、「ソニーが読み違えたハッカー文化 不正侵入招いた対立構図」という記事が載っていた。

ソニーの米子会社が手掛ける配信サービスがハッカーの不正侵入を受け1億件超の個人情報が流出した問題の背景には、企業とハッカーの2つの「文化」の衝突がある。システムの安全性を高めるため情報をブラックボックスにとじ込めて管理したい企業と、技術の進化はオープンな環境から生まれると考えているハッカーの間には、大きな意識の隔たりがある。ハッキングによる不正侵入は許されない違法行為だが、ソニーは米国のハッカー文化を読み違えたことで事態を複雑にしてしまったようだ。
ソニーが読み違えたハッカー文化 不正侵入招いた対立構図 ゲームジャーナリスト 新 清士

(事の詳細や善悪の判断は置いたとしても)ソニーの事件を「文化によるもの」とした視点は新鮮で、非常に読み応えのある記事だった。
記事では、文字数の制限などから、ハッカーの歴史やその文化の特徴に「若干」触れている程度だ。「技術の進化」というポジティブな言葉がある一方で、記事全体としてはやっぱり「良く分からん悪の集団」的なイメージを持った人も少なくないだろう。(そりゃ、「犯罪」の記事だからね…)

しかしながら、もちろん「ハッカー」はただの犯罪集団ではない。この記事では書き切れなかった歴史や物語やドラマを知る事で、全く違った印象を受けるかも知れない。

だからといって、この記事はハッカー達の面目躍如のために書いたのではない。(そんなことして欲しいとハッカーは思ってもいないだろうし。) 
ハッカーの文化を「文系」の私たちが学ぶ理由は、

1. ソーシャルメディアの重要性が増してきた昨今、オンラインでコミュニティを作り、価値を生み出してきたのはハッカー達に一日の長がある。目的は違えど、彼らの試行錯誤の歴史から学べる事があるから

2. 今日のインターネット技術は、ハッカー達が生み出してきたものが多くある。その目的や考え方を学ぶ事で、表層の現象だけではないレベルでインターネットを理解する事ができるから

3. ソニーの例は言うに及ばず、ときにハッカーは一国の歴史(例えばチュニジア)を変えるほどの影響力を持ち、その影響力はクライシスという視点だけでも無視できない程大きいから

の3点だ。もちろん、ハッカー達が駆使する技術をこんなブログで書けるはずもないので、「文系」らしく、「古典」に当たってみることにする。

ハッカーについての「古典」は、山形浩生氏のウェブサイトに多くの文章が翻訳されて掲載されている。大体90年代の後半に書かれた文章が多いようだ。
ここでは、私が実際に読んで面白いと思ったものを短い解説付きで紹介します。全て無料で公開され、いくつかはPDFになっているので、プリントするなり、スマートフォンやタブレットに入れて読んでください。(なぜ無料で公開されているのかは、古典を読み進めていくと分かってくるはず)

  1. Hackについて
  2. まずは「ハッカー」の「ハック」についての山形氏の文章。その語源や豊富な例に加え、歴史的ないたずらの話が最高に面白い。

  3. ハッカー界小史
  4. 次に、ハッカーの歴史について。以降に紹介する文章は全て、エリック・レイモンドという伝説的なハッカーが書いたもの。この文章自体は1998年のもので、それから世界は大分変わったのだろうけど、今でも続く基本的な思想が読み取る事ができる。(技術的な用語が多いが、とりあえず読み飛ばしても構わない。)

  5. ハッカーになろう (How To Become A Hacker)
  6. エリックが書いた、ハッカーになるための心構えやその方法論。この中の「III. ハッカー的心構え」が特に分かりやすくてオススメ。以下、項目だけ箇条書き。

    1. この世界は解決を待っている魅力的な問題でいっぱいだ
    2.同じ問題を二度解くような無駄はいやだ
    3.退屈と単純作業は悪
    4.自由は善
    5. 心構えは技能の代用にはならない

  7. 伽藍とバザール
  8. 次からは、「オープンソース4部作」と呼ばれる論文で、「伽藍とバザール」はその第一部。「伽藍とバザール」はもちろんアナロジーで、それらの「作り方」がポイントになる。「伽藍」は大きく荘厳な建物で、少数の精鋭部隊が計算して作るものの例え。一方で「バザール」は(途上国の”マーケット”にイメージが近いのかな?)、どこからともなく人が集まって、思いおもいに自分の好きなことをする。ここで「バザール方式」はオープンソースのことを意味し、複雑なものがどうして「バザール方式」で産み出されるのかを分析している。

  9. ノウアスフィアの開墾
  10. このシリーズで個人的に一番好きな論文がこれ。オープンソースの成功を人類学的な視点から「贈与経済」にあると考察している点が秀逸。我々が普段ビジネスで想定しているのは、モノやサービスとお金を交換する「交換経済」。でもオープンソースコミュニティは、「名誉」をやりとりしている「贈与経済」だということだ。この点は、ソーシャルメディアにおけるコミュニティ運営を念頭においても、非常に示唆に富むものだ。(少し詳しく書いた以前の記事はコチラ)

  11. 魔法のおなべ
  12. 「ノウアスフィアの開墾」では「贈与経済」としたものの、「交換経済」の理屈でもオープンソースは理にかなっていると分析した論文。オープン化についての時系列な分析は、(プログラムコードについてはともかく)オンラインコンテンツの展開について、戦略立案の参考になるかも知れない。

  13. ハッカーの逆襲
  14. 4部作の最後。これは「ハッカー文化」というより、「オープンソース」という概念のPublic Relations、強いて言えばThought Leadershipの良いケーススタディと言えるかも知れない。

    以上です。
    最後に一応断っておきますが、ハッカーになれとか、上の5か条が全て正しいとか、自分がハッカーであるとかを言いたい訳ではないです。(かじったのは”C”と言えばC#だったし、”P”と言えばPascalだったので、エリックに言わせればプログラマですらなかった…)
    理由は上に述べたまでですが、ちょっとでも皆様の刺激になれば幸いです。他にも面白い文章/本があれば是非紹介してください。

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Posted By nshoji

6 Responses to “ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼう”

  1. ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼう http://bit.ly/lV1Yfj

  2. Shoji Miyata より:

    RT @nshoji: ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼう http://bit.ly/lV1Yfj

  3. ヤマノベ より:

    ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼうnshoji.com | nshoji.com http://bit.ly/lV1Yfj

  4. rss より:

    ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼうnshoji.com | nshoji.com http://dlvr.it/Rc6DT

  5. Yuki Oku より:

    ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼうnshoji.com | nshoji.com – http://goo.gl/IwuiZ

  6. ソニーが”読み違えた”ハッカー文化を学ぼうhttp://t.co/2TbeJNqX: http://t.co/MuJ13Jjx #miteru

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